終活のススメ
最近、「おひとり様」の相続が多くなってきたように思います。
結婚をされていない、あるいは、配偶者の方に先立たれ、お子様もいないという方。
あるいは、子供が小さいときに離婚し、子供とは疎遠の方。
ご家族が遠くに住んでいて、ひとりで暮らしている方。
状況や事情は様々です。
今回は、そんな「おひとり様」に万が一があったときの相続を例に、終活についてお話ししたいと思います。
「おひとり様」が自宅で最期を迎えた場合、あるいは、突然、会話や意思疎通ができないようになった時、他の人に自分の事を伝える機会を失います。
残った身寄りは、「おひとり様」が残したヒント(財布の中のキャッシュカードや、家の中の通帳、証券など)から諸手続きを進めるしかありません。
プラスの財産も、マイナスの財産も十分にはわからない状況です。
相続人は、このヒントから相続放棄の熟慮期間(相続発生を知ったときから3ヶ月)以内に、相続するか否かを判断しなければならなくなります。
もちろん、相続人が資産を調べる方法はありますが、何もヒントがないと時間ばかりがかかってしまう、あるいは、調べに漏れが出る可能性が高い。というのが現実的な問題です。
特に昨今、ペーパーレス化、インターネットバンキングの普及、オンラインによる株の口座開設・取引など、パソコン中にヒントがあるが、パスワードやセキュリティコードが分からず把握できない。ということは多々あります。
そこで、「おひとり様」の終活のススメとして、元気なうちに、エンディングノートを書くという事です。
相続の話でいえば、どこの銀行に預金を持っているか、どこの証券会社で取引をしているか、どこの保険会社と契約しているか、どこに不動産を持っているか。といった記載が残された人のヒントになります。メインで取引に使用しているパソコンのやスマホの暗証番号も可能であれば記載しておくと良いでしょう。
最後に
最近、父の携帯電話が壊れ、携帯の電話帳内のデータも消えてしまいました。幸い、父は手書きの電話帳でバックアップを取っていたため、事なきを得ました。
そこでふと思ったのが、もし父のように手書きの電話帳が用意されておらず、親や肉親に何かあったとき、いったいどのようにして万が一の連絡をするのだろうか。という事です。
スマホの普及により、ほとんどの情報はスマホに入っているという場合、そのスマホのセキュリティを解除できなければ、情報を知りようがありません。葬儀に親や肉親の親しかった人を呼びたいと思っても、叶わないかもしれません。
今回は、「おひとり様」の事をメインにお話ししましたが、誰にでもいえることだという事です。
老後の備えについては、他にもお話ししています。よろしければ、そちらもご覧ください。